【ビジネス:思考術】事実と意見をきちんと分ける

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記述日 2022/10/17

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【ビジネス:思考術】提案の基本 雲雨傘

事実と意見をきちんと分ける

提案の際に、
①事実(雲)
②解釈(雨)
③アクション(傘)
の3つを混同したり、一部を省略して結論づけてしまうと、筋が通らなくなります。

よくある失敗例を3つ紹介します。

失敗1:「雲」だけで提出してしまう

入社一年目で必ずやってしまう失敗は、上司に調べものを依頼されたときに、データのグラフや事例の記事だけを上司のところにもっていって、「できました!」と報告してしまうことです。
褒められるかと思っていたら、全く評価してもらえません。

評価されない理由は、自分なりの解釈がなかったからです。

雲雨傘の例で言うと、雲(データや観察事項)を単に提示しただけでは不親切です。

単にデータや記事だけではなく、そこから何が言えるのかをセットでもっていかなくては、意味のある報告にはなりません。
たとえば、血液検査の結果を告げられる際に、ALT、γ‐GT……、聞き慣れない項目と数字を見ながら、医者はあなたにこう言います。
「はい、血液検査結果です。これを見て、どうぞ考えてください」
事実だけのレポートを提出する新人はこの医者と同じです。
病気なのか、健康なのか。何に注意したらいいのか。問題があったとして、重大なことなのか、些細なことなのか。
ほしいのは「だから何なのか?」という解釈です。

必要に応じて、薬を処方するといったアクションをとる。
検査結果だけ渡されても患者は困惑するだけです。
ビジネスも同様です。
解釈のないグラフをつくっても、関係ありそうな記事を集めても、「だから何なのか?」という解釈がないと、問題を解決するための役には立ちません。

失敗2:根拠を提示していない

次にやりがちなのは、アクションだけをもっていくことです。
雲雨傘の例で言えば「傘をもっていったほうがいい」というのがアクションに相当します。

単にアクションだけを提示されても、「なぜそうなのか?」ということがわかりません。
何かを提案するときはアクションだけを提案してもダメです。
必ず元になる事実と解釈もセットで伝えなければいけません。
・雲があって雨が降りそうだから(事実・解釈)→ 傘をもっていったほうがいい(アクション)

なお、アクションには選択肢があります。
雨が降りそうという解釈に対しては
・レインコートをもっていく
・用事をリスケジュールして出かけない
というアクションもあります。

失敗3:事実と、意見や解釈との混同

何が事実で、解釈で、アクションなのか、混沌としたまま報告してしまうケースです。
たとえば、新聞記事で事例を見つけて報告したとします。
その際に突っ込まれることは「これはあなたの意見なのか、それとも新聞社の意見なのか?」ということです。
特に、事実と意見をちゃんと区別して提示することは大事です。
たとえば「お客さんは低価格なものを求めていると思います」という意見。
これは、客観的な消費データに基づいているのか、あなたの推測なのか、最近の一般的なトレンドについて言っているのかさっぱりわかりません。
これでは、厳密な議論はできません。

まとめ

・事実(=雲)だけでは報告とは言えない

・事実と意見をきちんと区別して提示する

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参考書籍

■コンサル一年目が学ぶこと 大石 哲之(著)

■図解 コンサル一年目が学ぶこと

非常に良い本。おすすめ!

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