【ビジネス:思考術】仮説思考

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記述日 2022/10/30

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【ビジネス:思考術】事実と意見をきちんと分ける

仮説思考

「はじめに仮説有りき」
これは、コンサルタントの思考法の中でももっとも重要な特徴のひとつです。

たとえ一年目であっても、「仮説思考」でものを考えられることが徹底的に求められます。
「あなたの仮説はなんですか?仮説はできましたか?証明されましたか?」コンサルティング会社の社内では、常に、仮説、仮説、という言葉が飛び交います。

一般的には、何かの結論を出すためには、網羅的に調べる方法をとります。
全般的に調査をし、たくさんのデータを集め、データが揃ったところで、それぞれを詳細に検討して、結論を出すというやり方です。

実際にこの方法で物事を検討している場面をよく見かけますが、うまくいかないことも多いようです。なぜなら、この方法だと議論が拡散したり、不必要な調査に時間を浪費したり、集めなければいけないデータが現実的でないほど多くなったりするからです。

時間ばかりかかって、いっこうに結論が出ません。非効率的です。こういった状態を避けるために重要なのが、冒頭の「はじめに仮説有りき」です。

はじめに仮説有りき

優秀な捜査官は、事件の現場を見ると、誰がどのように犯行をしたのか、だいたい目星がつくそうです。
その見立てのことを、「仮説」と呼びます。間違っていてもいいのです。
「もしかしたら、こうではないのか?」と、大胆に仮説を立て、その仮説に沿ったストーリーを考えていきます。

ストーリーに沿って、あらかじめ調べるポイントを絞り込む殺人事件が起きたとしましょう。
犯人像は?動機は?誰がやった?いつやったのか?遺体はどこに隠したのか?凶器は何か?推理小説を読んだことのある人なら、小説を読みながら一度は自分で推理したことがあるでしょう。

その推理こそが「仮説」です。
事件捜査は、しらみつぶしに調べて捜査しているわけではありません。
推理に基づき、怪しそうなところから順に、重点的に聞き込みや証拠集めをしていくわけです。

たとえば、「もし、遺体を山に捨てたなら、それを運ぶ車を借りたはずだ。車を借りたのであれば、レンタカー会社の履歴に残っているだろう」といった具合です。
もし自分の推理が本当だとしたら、どういう証拠が出てくるだろうか、という観点から逆算して操作が始まります。

仮説思考

上記をビジネスの言葉に置き換えたものが「仮説思考」です。

具体的には
「あのビジネスリゾートホテルが高価格にもかかわらず好調なのは、若い夫婦にターゲットを絞ったからではないか?」
「一泊3万円以上のホテルに泊まるのは、富裕層だけだと思っていたが、実は若い層にも強い需要にあるのではないか?」
といった仮説を立てて、そこから具体的に客層を分析していきます。

まとめ

・あらかじめ仮説を立てておき、調べるべきポイントを絞り込めていれば、効率的なリサーチをすることができる

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参考書籍

■コンサル一年目が学ぶこと 大石 哲之(著)

■図解 コンサル一年目が学ぶこと

非常に良い本。おすすめ!

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